避難勧奨地点、非指定にも賠償を 伊達市民がADR申し立て

避難勧奨地点、非指定にも賠償を 伊達市民がADR申し立て 

福島第1原発事故で特定避難勧奨地点に指定されなかった伊達市の323世帯991人が5日、事故が起きた2011年3月からの精神的損害の賠償として、東京電力に1人当たり月10万円の支払いを求める裁判外紛争解決手続き(ADR)を原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた。

弁護団によると請求総額は20億円規模で、同地点をめぐる集団申し立ては初めて。

申立人は伊達市の霊山町と月舘町で指定世帯がある4地区の住民。指定世帯は東電から1人月10万円が支払われているのに、生活圏が同じで同様に放射線による健康不安を抱え、従来の生活ができなくなった非指定世帯に支払わないのは不当だと主張している。

非指定世帯は東電から1人8万~60万円が一括支給されただけで、指定世帯が受けた税の減免もなかった。

申立人で小国地区(霊山町)復興委員会の直江市治副委員長は「指定、非指定で地域に深い溝ができた。申し立てを通じて元の姿に戻したい」と話した。

特定避難勧奨地点は原発事故後1年間の推定放射線量が20ミリシーベルトを超す場所を政府が指定する。

福島県では伊達市の117地点128世帯、川内村の1地点1世帯、南相馬市の142地点153世帯が指定され、伊達、川内の2市村は昨年12月に全て解除された。

東京電力は「申し立ての内容を把握していないが、和解手続きに従って誠実に対応したい」と話している。

◎問われる制度の功罪

【解説】福島第1原発事故は強制避難や賠償の有無など多くの問題で被災者と地域を線引きしている。

とりわけ特定避難勧奨地点は隣人同士でも指定、非指定が分かれ、地域コミュニティーの寸断を招いた。経済的支援の格差で生じた住民らのわだかまりは今も大きい。

賠償問題は「しょせん金銭の話」と冷めた目が向けられがちだが、生活の場や生業を奪う原発事故の被害は当面、金銭でしかあがなえないのも事実だ。この点は同地点も避難区域も変わらない。

賠償紛争であると同時に、面での指定を望んだ地元の意向に反して点での指定に踏みきり「非常に禍根を残した」(仁志田昇司伊達市長)制度の功罪も問われる。避難を勧めながら居住の継続を認めた曖昧な制度は避難した非指定世帯と、とどまり続けた指定世帯が現れるいびつな状況を生んだ。国も解決に向け、積極的に関与すべきだ。

地元ではコミュニティー再生に向け、指定、非指定の住民らが連携を模索する動きも出ている。こうした思いをくみ、再生を後押しする決着が求められる。(福島総局・若林雅人)

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